採点や成績処理を効率化すると
本来大切にしたい授業準備や生徒との時間が取れるようになる
持ち帰り仕事が減り、家族との時間や自分の時間が増える
ミスが減り、気持ちに余裕を持って仕事ができる
学校の先生にとって、テストの採点や成績処理は避けて通れない仕事です。定期テストが終わるたびに、大量の答案が机に積み上がります。放課後は採点、家に持ち帰ってさらに採点、そして成績処理システムへの入力、所見の作成。特に学期末は、採点と成績処理に追われて、授業準備や生徒との関わりにかける時間がどんどん削られていきます。ゴールデンウィークや夏休み、冬休みがあると思いきや、その前後は成績処理でバタバタ。気持ちに余裕がない状態で生徒の前に立つことも多いのではないでしょうか。
この採点や成績処理の時間を減らすことは、実は工夫次第でかなり可能です。ポイントは「根性で頑張る」のをやめて、「仕組みで時間を生み出す」という発想に切り替えることだと思います。テストの作り方、成績処理のやり方を少し工夫するだけで、驚くほど時間が短縮できます。そしてその生まれた時間を、本当に大切にしたい授業や生徒との関わりに使えるようになります。
以前の私は、採点も成績処理も完全に根性でこなしていました。テストは自分がこだわって作った記述式の問題をたくさん入れていて、採点にとても時間がかかっていました。一枚一枚丁寧に赤ペンでコメントを書き、部分点をどうするかを悩みながら採点を進めていました。テストを返すまでに時間がかかり、生徒からは「先生、テストまだですか?」と言われることもありました。成績処理も、最後の最後に一気にやるスタイルでした。学期末に評価の資料を見返して、頭を抱えながら評定をつけていきました。所見も学期末にまとめて書いていたので、何十人分もの所見をひねり出すのに何日もかかりました。結果、学期末はいつもクタクタで、家族にも迷惑をかけていました。
転機は、「このやり方を続けていても、生徒の成長にはつながっていないのではないか」と気づいたことでした。採点に時間をかけることと、生徒の学力が伸びることは別の話です。むしろ、採点に時間をかけすぎて授業準備が疎かになっていたら、それは本末転倒です。そこから私は、採点と成績処理の仕組み自体を見直していきました。
まず、テストの作り方を変えました。記号で答えられる問題を増やすようにしました。これだけで採点時間は大きく短縮できました。大事なのは「テストで何を見たいのか」を明確にすることだと思います。本当に記述で見たい力なのか、それとも記号式でも十分測れる力なのかを考えて問題を作ると、自然と採点しやすいテストになります。
成績処理については、日頃から少しずつ入力しておくようにしました。小テストや提出物の評価は、その都度すぐにシステムに入力。学期末になってまとめてやるのではなく、日々少しずつ積み上げていく形にしました。
所見については、たくさん書きすぎないと決めました。以前は一人ひとりに長い文章を書こうとしていましたが、今は割り切って、必要なことを簡潔に書くようにしています。その代わりに大切にしているのが、日々のコミュニケーションです。空いた時間を見つけて生徒とたくさん話をし、その生の場面で直接褒めたり、認めたりすることを意識しています。所見という文字で伝えるより、その場で「今の頑張り、よかったよ」「こういうところが成長したね」と直接伝えた方が、生徒の心には何倍も響くと感じています。所見は評価の記録として必要な分だけ書き、本当の「認める」「褒める」は日々の関わりの中でやる。この使い分けをするようになってから、所見に悩む時間が減り、さらに生徒との関係もより良くなっているのを感じます。
答案に書くコメントも同じ考え方で整理しました。以前は全員に丁寧にコメントを書いていましたが、今は花丸で終わることもよくあります。それで十分だと割り切っています。時間をかけるところと割り切るところのメリハリをつけて、効率よくできる最大の効果を発揮することを意識するようになりました。よくできている生徒には花丸や一言、つまずいている生徒には必要なアドバイスを丁寧に書く。すべてに全力を注ぐのではなく、力の入れどころを見極めることで、結果的に生徒一人ひとりへの関わりの質が上がっていると感じています。
こうして仕組みを変えていった結果、採点や成績処理にかかる時間は以前の半分以下になりました。生まれた時間で、授業の工夫を考えたり、気になる生徒と話をする時間が持てるようになりました。家に仕事を持ち帰ることもほとんどなくなり、家族との時間も大切にできるようになっています。
「丁寧にやることが誠実さだ」という考え方は、一見正しそうに見えます。しかし、採点に時間をかけすぎて授業の質が下がったり、自分が疲弊して生徒に向き合う余裕がなくなったりしていたら、本当に生徒のためになっているとは言えないのではないでしょうか。大切なのは、限られた時間の中で、生徒の成長に最もつながることに力を注ぐことだと思います。
採点や成績処理に追われている先生方、一度ご自身のやり方を見直してみませんか?テストの作り方、成績処理の進め方、コメントの書き方。どこか一つでも仕組みを変えるだけで、大きく時間が生まれます。その時間を、本当に大切にしたいことに使ってみませんか?

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