生徒との関係をより良くしたい先生方、自分の話をすることをやめてみませんか?

 

自分の話をしないことで

  • 話を聞くことに集中でき、生徒の信頼感が高まる
  • 他の人の話をたくさん聞けるため、自分の思考が深まる
  • 良好な人間関係の構築がスムーズにできるようになる

 

人間は基本的に自分の話をしたい傾向があるようです。誰かに認めてもらいたい、と願う欲求を叶えるために自分のことを話します。また社会的な繋がりを得るため、そして所属感や安心感を手に入れるために話をして、聞いてもらいたい・受け入れてもらいたいという気持ちがあるようです。さらに教員は子どもたちに何かを教えていく立場もあり、話をすることが得意な人・好きな人がより多い印象を受けます。例えば、多くの先生方が集会などで話すことを最初は嫌がりますが、ありがたいことに最終的には引き受けてくださいます。さらに10分の枠で話をお願いしても大体時間をオーバーしてしまいます。皆さんはどうでしょうか?

 多くの人が話を聞いてもらいたいという欲求を持っているということは、その欲求を叶えてあげるために、話を聞いてあげることの大切さを感じてもらえると思います。特に生徒はまだまだ人生経験が少なく、「自分を認めてほしい」「周りに認めてもらいたい」という感覚を持っています。そのためしっかりと話を聞いてあげることがとても重要になると思います。しかし、以前よりは改善されてきているように思いますが教育現場では、生徒指導で頭ごなしに自分の考えを押し付けて指導したり、生徒が話ている途中で自分の話をたくさんしてしまうような状況がよくあるように思います。先生方の思いや考えもあると思いますが、生徒も同様に多くの思いや考えを持っています。そして人は基本的に話を聞いてもらいたい生き物です。さらに中学生のような時期は心が安定しておらず「認められたい」「受け入れてもらいたい」と強く思っています。だからこそ、まずはしっかりと生徒の話を聞いてあげて、さらに話しやすいように反応しながら聞いたり、質問で深掘りすることが大事ではないでしょうか?すると生徒との信頼関係が構築されていくと思います。

 

 私は以前、高圧的な態度で生徒たちと関わってきました。生徒の考えを聞くことはあまりせずに自分の良いと思うことを考えを押し付けたり、生徒の意見があっても受け入れる準備ができておらず否定的に考え、結局は自分の思いで動いていたように思います。その頃を振り返ると、全く良い関わりができてませんでした。実際に、学級経営では不満を持っている生徒がいたように思います。本人から聞いたわけではありませんが、態度には現れていました。部活動でも偉そうに高圧的に指導をしていました。生徒たちは頑張って、文句も言わずついてきてくれました。しかし、成人式で再開した時に本音を聞いてみたところ、その頃の嫌だった気持ちをたくさん教えてくれました。

 転機は特別支援学級に異動したことでした。その学級には高圧的に上から指示を受けると反発するような特性を持った生徒がいました。また、特別支援学級に在籍している生徒は、自分の考えを伝えたりすることが苦手な生徒が多いと感じます。さらには、我慢や感情の扱い、環境の変化など苦手なことがたくさんある生徒もいます。これらの生徒たちと関わり、そして自立に向けて充実した時間を過ごしていくためには、コミュニケーションが重要であると強く感じました。しっかりと生徒の話・思いを聞くことからスタートでした。どのようなことならできるか・何が嫌か・なぜそのような状況になっているのか、ゆっくりと話を聞きました。そして生徒の気持ちを受け止めたうえで、対処していきました。すると、支援学級の生徒たちと少しずつ信頼関係が出来始めてきたのを感じました。この頃から私は、人の話をしっかりと聞こう、と意識をしていきました。部活動でも、生徒と話をする時間をたくさん作ることを心がけました。自分から話をしにいきましたが、話すのはほとんど生徒で、私は質問をして話しやすい状況を作ることを心がけました。たくさん話していると信頼関係もより良くなってくるので色々なことを話してくれるようになってきます。以前の高圧的に指導していた頃とは全然違う雰囲気で生徒たちと関わることができるようになりました。また生徒だけでなく、保護者や先生方と関わるときもまずは相手の考えをしっかりと聞くことを大切にしていますが、良好な人間関係が作れているよに感じながら日々を過ごしています。

 

人は自分のことを話したくなる生き物です。良好な信頼関係を築くならそれを逆手にとって、まずは聞くことを丁寧にやって、生徒にとって「話をしっかりと聞いてくれる先生」になりませんか?生徒がアドバイスを求めた時だけ話をするのでちょうどいいかもしれません。自分の話をやめて、しっかりと相手の話を聞いてみませんか?

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